カワサキ・ゼファーχ(カイ) ZR400 基本情報

車種
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ここでは 400ccのゼファーχの車体について、歴史や特徴などを説明しています。
購入前の参考やカスタムやメンテナンスの参考にしてください。

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ゼファーχの特徴とスペック

カワサキ・ゼファーχは1996年にゼファー400を4バルブ化や足回りを強化しモデルチェンジして発売されました。その後、排ガス規制に対応しきれずに2009年4月にファイナルエディションを発売し廃盤となりました。
カワサキのゼファー400が1989年に発売されて以降、ZRX400と双璧をなすカワサキ400ccフラッグシップ機でカスタムベースとしても人気です。

2008年9月に自動車排出ガス規制が強化される事になりゼファーシリーズは全ての機種が販売終了となりました。ゼファー750、ゼファー1100共に2007年に販売終了となっています。

ゼファーχの特徴は1980年代後半に流行した2ストロークエンジン、カウル付き、スピード重視のバイクに対抗して、あえてオールドスタイルの4ストローク、4気筒、丸目一灯、ノンカウル、2本サスを採用して販売されました。街乗りに不向きな2ストレプリカに対して街乗りからツーリングまでこなすネイキッドは若者から中年まで受け入れられ、特に若者はカスタムベース車としても人気になりました。

スピードにフィーチャーするのではなく、スタイルを大切にする。当時の時代の流れに逆行していましたが、町中を猛スピードで走るバイクや死亡事故が多発するなどバイクに対して非難が集まっている背景もありレプリカバイクとは違った人気が出ました。

ゼファー400の発売後、国内4社のバイクメーカーは次々とネイキッドスタイルのバイクを発売しました。CB400スーパーフォア、XJR400R、GSX400インパルスなどが次々と販売され、いち早くネイキッドを投入したカワサキのゼファー400はスペック面で劣り売り上げを落としていきました。それに対しカワサキエンジニアはゼファー400のバージョンアップの開発に着手します。そしてとうとうゼファーχが投入されます。

初代ゼファー400と比べ更に完成度を上げ、軽快に走れるようになったゼファーχ。バイク屋のプロからの評価も高く、初心者からベテランまで幅広い層に人気になりました。特に4バルブ化されたエンジンの吹け上がりや強化された足回りの完成度が素晴らしく、ブレーキもデュアルディスク、対向ピストンの4ポットブレーキで強化され、膝すりをしながら峠を走る者も多くいました。

ゼファーχ詳細スペック

年式による型番

ZR400-G1【1996年】
ZR400-G2【1997年】
ZR400-G3【1998年】
ZR400-G3A【1998年 – 1999年】
ZR400-G4【2000年】
ZR400-G5【2001年】
ZR400-G6【2002年】
ZR400-G7【2003年】
ZR400-G8【2004年】
ZR400-G9【2005年】
ZR400G6F,ZR400G6FA【2006年】
ZR400G7F,ZR400G7FA【2007年】
ZR400G8F,ZR400G8FA【2008年】

エンジン:4ストローク並列4気筒。通称インライン4
冷却方式:空冷(オイルクーラー搭載)
排気量:399cc
エンジン形式:4バルブDOHC
馬力:53PS
最大トルク:3.6kg
タンク容量:15リットル
燃料供給方式:ケイヒンキャブレター
エンジンオイル:3リットル
バッテリー:YTX12-BS

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ゼファーχとゼファー400の違いについて

ゼファーχはゼファー400を基にエンジンや足回りを強化した車体です。
ゼファー400の2バルブDOHCエンジンに対してゼファーχは4バルブDOHCエンジンとなっており、47馬力から53馬力へとパワーアップしています。
足回りに関しても1997年より3本スポークを採用、サスペンションの強化を行っています。エンジンの出力強化に伴いブレーキも一新。同径4ポット(対向ピストン)キャリパーを採用しています。
このようにエンジンや足回り、各部の細かなパーツ全てを一新して、ライバルであるホンダCB400スーパーフォア、スズキのインパルス、ヤマハのXJR400Rなどに対抗しました。

4大メーカーの中でも一番バランスが取れているのがホンダと言われていましたが、このゼファーχの投入でホンダCB400SFやヤマハXJR400RやGSX400インパルスを抑え400cc市場でトップに躍り出ました。

ゼファーχとゼファー400では、共通のカスタムパーツを使える物も多く人気でしたが、人気が出て販売数が多いためゼファーχ専用のパーツなども多数販売されました。特にマフラー、サスペンション、ウィンカー、ハンドル、オイルクーラーなどの定番パーツのカスタムが流行しカスタマイズを競う大会なども開催されました。カワサキ党と言われるバイク乗りも多く今なおゼファーの愛好家が多いです。

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ゼファーχのファイナルエディション

ゼファーシリーズはゼファーχ、ゼファー750、ゼファー1100の3シリーズがラインナップされ、全て販売終了の年にはファイナルエディションの特別バージョンが発売されました。カラーは3台共に伝統のファイアーボールカラーを採用しZ2を意識したスタイルになっています。
ファイナルの台数は非公開となっており、1000台程度ではないかと噂されています。ファイナルの台数は実際にはフレーム番号などから確認が可能であり1000台前後と判明しています。

販売終了になったバイクは2ストバイクを始めプレミアム価格になり、中古市場の価格が上がる傾向にあります。
2019年現在、ファイナルエディションは100万円を超える物もあり、新車状態の車体の場合200万円を超える価格で取引されている物も存在します。

ファイナルエディションの変更点

ゼファーχのファイナルエディションの違いは、タンクやフェンダーカウルなどの塗装は職人による三度塗りの手動塗装。 サスペンション、ブレーキキャリパー、エンジンのブラック塗装。 キャンディダイヤモンドブラウン×キャンディダイヤモンドオレンジの火の玉カラー。 シートレザーを上質なレザーに変更。などです。

最大の特徴はゼファーシリーズのファイナルエディション共通のカラーバリエーション、火の玉カラーです。
その他にもブレーキなどの塗装でも通常のゼファーχとの違いを確認する事ができます。