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ショウエイとアライのヘルメットの歴史、会社の来歴、サイズの違い、安全性の規格、アンケート結果、コンセプトの違いなどを比較してまとめています。
ヘルメットは各社微妙にサイズや形が違うので、比較参考にしてください。
ヘルメット自体の情報は関連記事をご確認ください。
ショウエイとアライのヘルメットの全シリーズを1つ1つ解説しています。
ヘルメットの特徴や選び方は関連記事でご確認ください
日本でのヘルメット導入までの歴史
19世紀後半にオートバイが発明、普及してから数十年間は頭部を守るという概念がなく、体をガードする用品は開発されませんでした。
しかし、トーマス・エドワード・ロレンスが46歳の時に自転車を避けようとして事故を起こした時に亡くなってしまった。それを機にヘルメットによる頭部の保護が一番安全性に有効な事が分かり誕生した。
それから20年。日本では有用性が判明しながらも、なかなか普及しなかった。原因の一つとしては、現在のように道路が整備されていなかったのでスピードを出す事が少なかった為だと私は考えます。
だんだんと仕事用以外に趣味としても使われ始め、カミナリ族なども現れ始め、道路も整備されると事故による死者が目立ち始めました。そして、ヘルメットの導入が議論されるようになりました。
団塊の世代の方たちの多くは、昔はヘルメットが必要なくノーヘルで乗っていた。なんて語る方たちが多いですよね。今の常識から考えると変に感じますが、最近までシートベルトをしない人が多かったり、飲酒運転が常習化していた事を考えると、当時はノーヘルでも当たり前だった事は頷けますね。
西暦1965年(昭和40年)
国内で初めてヘルメットの装着義務が定められました。
しかし、高速道路でのヘルメット着用努力義務だけで、罰則なしといった軽い物でした。バイク自体にもヘルメットを収納する機能がなかったので、手で持ち運ぶしかなく不便な為、嫌気されたのも普及しなかった原因の1つです。
西暦1972年(昭和47年)
最高速度が40km以上の道路、全てでのヘルメット着用を義務化(罰則なし)が規定される。
この時ライダーの間でも色々な意見が見られたが、私たちの仲間内では着用賛成が多数だった。特に年配の方たちを中心に賛成派が多かった。
西暦1975年(昭和50年)
罰則ありの義務化が始まる。政令指定都市区間で50cc以上のオートバイのヘルメット着用が罰則ありで義務化。
日本のヘルメットの義務化、罰則、本格的な普及はここから始まっている。
ヨーロッパ大陸や北米では一部ヘルメットの義務化が行われていたが、日本では前面規制が行われた。比較すると早いように思えるが、実際に1975年まではヘルメットを被らずに100キロ以上で走るバイクが居たことは驚きである。
中国、ベトナム、タイなどのアジア、東南アジア諸国は2000年代に入るまでヘルメットの規制がなかった事を考えると、遅いとも言い切れない意見もある。
罰則ありの義務化になった理由として、日本が豊かになった事で、趣味としてバイクに乗る者の増加、バイク人口全体の増加、若者の増加、バイクの高性能化、車との事故、などにより死亡者が急増した経緯が考えられる。
西暦1978年(昭和50年)
高速道路、一般道を含め全ての道路で特殊な車両を除き、50cc以上のオートバイのヘルメット着用を義務化する規制が始まる。
この時、原動機付自転車、通常原付バイクを含めるのか含めないのかの議論が行われた。1975年からの3年間でヘルメットの有用性は実証されていたが、規制スピードが30km以下の原付は義務化が見送られた。これは新聞配達を始め、仕事でバイクを利用していた層からの反発が強く、導入は断念された。
西暦1986年(昭和61年)
高速道路、一般道を含め全ての道路で、原動機付自転車を含む全てのオートバイにヘルメットの着用が義務化される。
この年からバイク=ヘルメットが完全に確立されました。
1980年代から始まったバイクブームを背景に、バイクによる事故や死亡が増えると、高校生に対するオートバイと自動車の三ない運動が起こり、バイクへの否定的な声が大きくなった。その為、安全性を求める意味でも全てのバイクにヘルメットの義務化が定められた。
三ない運動とは
高校生に対するオートバイと自動車の三ない運動とは、「オートバイの免許を取らせない」「オートバイに乗せない」「オートバイを買わせない」の「3つの指針」を定めた運動で、通称「三ない運動」と呼ばれている。
この三ない運動について、本田技研工業(ホンダ)の創業者である本田宗一郎は、「バイクを取り上げるのではなく、ルールや危険性を教えるのが教育ではないのか?」と疑問を呈している。
ショウエイ(昭栄、SHOEI)の来歴と特徴
ショウエイの歴史
元々ショウエイはポリエステルの製造会社として起業し、ホンダの社員からヘルメットに関する話しを聞いたことでヘルメットの製造に着手します。
その後、ホンダの純正ヘルメットとして採用され、レース用ヘルメットを提供するなど順調に成長しバブル時代には世界一のヘルメットメーカーになりました。
官公庁用(防衛省用、警察庁用)ヘルメットとしても採用され、白バイなどで利用されています。
1954年にポリエステル会社として創業。
1959年昭栄化工株式会社を設立。
1960年ヘルメットの製造開始。
1965年ホンダの純正ヘルメットとして採用される。
1980年代には世界一の販売量を誇る。最大手のメーカーに成長する。
ショウエイの経営戦略
ショウエイのホームページにもある通り品質と高付加価値を追求しており高額な商品が多いのが特徴です。その品質は全てのシリーズで共通しており、安全性の他にも空気抵抗やエアーベンチレーションに特に技術や向けられている。
MotoGP選手との契約もしており、世界戦略も欧州を中心に計画されています。常に最先端の技術を投入していて、今後もトップを走り続けると予想されています。
1)商品戦略
高品質、高付加価値商品に特化し、集中的に経営資源を投入し、収益拡大を図ります。2)生産戦略
Made in Japanにこだわり、高度な技術や、ノウハウをブラックボックス化する情報管理を強化し、優位性を盤石にいたします。3)市場戦略
ショウエイ経営方針より引用
成長する欧米市場をターゲットに販売体制を再構築し、プレミアムヘルメット市場での世界中全ての国々でトップシェアをめざします。
ショウエイのヘルメットの特徴
ショウエイのヘルメットの特徴は数多くありますが、一部を抜粋してリストにしました。
一言でまとめると、ショウエイの一般向けのヘルメットはアライのヘルメットと比べ、ベンチレーションの数が多く、快適性、運用性の向上に力が注がれています。
SNELL規格にこだわらず、欧州を意識した開発されています。
- ファッション性が高く、幅広いシリーズ展開
- 世界でもトップクラスのシェアを誇る大手メーカー
- レースでも使われる信頼性、安全性、機能性
- 一般ヘルメットは安全性を考慮し少し大きめ
- 工場見学など情報公開に前向き
- 静音性と安全性を両立させる技術革新
- 基準の厳しい欧米市場をターゲットに展開
- Marc Marquez選手、Hafizh Syahrin選手など50人以上の契約ライダーを抱える信頼性
アライ(ARAI)の来歴と特徴
アライの歴史
アライの起源はショウエイと違い、個人でヘルメットを利用する為に作られたのが始まりです。戦前から培った帽子の技術を基にこの時代からアライの信念は変わらず、安全の為にあるのがヘルメットであり、安全性を第一に製造されています。
ショウエイと同様に、官公庁用(防衛省用、警察庁用)ヘルメットとしても採用され、白バイなどで利用されています。
また、バイクやレースのヘルメットとして有名だが、元々は公営競技、競馬や競艇などのヘルメットを中心に開発されていました。1970年代から独自の技術で軽量化と剛性を確立しレースで注目を集めた事から、日本の二大メーカーへと躍り出た。
現在競馬や競艇などではアライ以外のヘルメットも認められているが、アライの寡占状態で、他のメーカーが追い付いていないのが現状です。
1902年(明治35年) 新井唯一郎が東京の京橋に新井帽子店を設立。
1937年(昭和12年) 新井広武が現所在地に工場を移設、保護帽の製造を開始する。
1950年(昭和25年) 現組織の母体、株式会社新井広武商店を設立 バイク用ヘルメットの製造開始。
1976年(昭和51年) 国際化に対応の為、(株)新井ヘルメットを設立。
1986年(昭和61年) ヘルメットに関わる業務一切を(株)新井ヘルメットに集約 社名を(株)アライヘルメットに変更。
アライのヘルメットの特徴
アライのヘルメットの特徴をまとめました。ショウエイとの比較も重要ですので確認してください。一言で表すと卵型のヘルメットへのこだわりは安全性の証。衝撃は受け流して、残りは吸収が基本。安全第一がアライヘルメットの信念。
安全第一の信念からPSC規格、SNELL規格などの規格に準拠する事にこだわりがあります。
- ショウエイの縦長に比べ丸みのあるコンパクトデザイン
- ユーザーの安全性を第一に考えられた形
- バイク乗りしか採用しない徹底したバイク愛
- 認定販売店制度の導入により販売透明性を保持
- ヘルメットのパイオニアとしての自信と責任感が強い
- 衝撃はかわして、残りは吸収の理念
- スネル規格取得へのこだわり
- 全てのシールドにUVカット加工搭載
ショウエイ、アライのヘルメットのアンケート結果
知り合いを含め、バイク乗りの方50人にヘルメットについてのアンケートを実地しました。
その結果をこちらで発表いたします。思っているよりも意外な結果が出ました。
アンケート結果を受けての感想
ショウエイとアライの両方共使った事がない人が結構いました。
250cc以下など軽排気量のバイクに使った事がない方が多かったです。
印象としては、車種メーカーや男女で偏りはなかったように感じます。
ショウエイ、アライ、OGKカブトのヘルメットのサイズ比較表
表記サイズ | 子供用 | XS | S | M | L | XL | XXL | XXXL |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アライ | 51~53 | 53~54 | 55~56 | 57~58 | 59~60 | 61~62 | 63~64 | 65~66 |
表記サイズ | XXS | XS | S | M | L | XL | XXL |
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ショウエイ JIS規格製品 | 51cm | 53cm | 55cm | 57cm | 59cm | 61cm | 63cm |
ショウエイ JIS規格+SNELL規格製品 | 無 | 53~54cm | 55~56cm | 57~58cm | 59~60cm | 61~62cm | 63~64cm |
表記サイズ | フリーサイズ | XS | S | M | L | XL | XXL |
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OGKカブト | 57~59,57~60 | 54~55 | 55~56 | 57~58 | 59~60 | 60~61,61~62 | 63~64 |
ヘルメットの安全性に関する規格
ヘルメットの安全性に関する規格は主に4つあります。JIS規格、SGマーク、PSCマーク、SNELL規格です。詳細は参考記事でヘルメットの安全規格で解説してますのでご確認下さい。
ショウエイとアライの比較の総括
ショウエイとアライのヘルメットへのコンセプトの違いは、ヘルメット誕生の時からある事が分かりました。
使用時の快適性と安全性を両立する事をコンセプトに掲げているショウエイ。安全第一をコンセプトに掲げるアライ。どちらもバイクに乗る人を第一に考えたコンセプトに変わりはありません。
業界トップを走る二大企業がカスタマー第一主義を掲げていると、ヘルメットを使用する側としても安心ですし、応援したくなりますよね。
ショウエイとアライ、どちらを選んでも安全性はトップレベルですので大きな差はありません。しかしヘルメットのシリーズごとに特徴がありますので、関連ページも確認して頂ければと思います。